久しぶりの更新です。
先週、知人(私の元上司でライブラリーをはじめるきっかけをくれた方)から本の寄贈がありました。
詩人のアーサー・ビナードさんと、やはり詩人で翻訳家でもある木坂 涼さん、このおふたりの絵本と詩集です。
ビナードさんは30年前に日本に来て、その後日本語での著書や絵本をたくさん書かれていて、詩集で中原中也賞などを受賞しています。すごくないですか?
木坂さんは、詩集の他にたくさんの絵本をつくられていて、今回送っていただいたのは翻訳ものが中心ですが、そのセレクトのセンスがとてもいいんです。
少ない言葉でもこれほどまでに豊かな表現ができるものなのですね。
理屈っぽい本ばかり読んできたけど、絵本をもっとちゃんと読もう。
今回、届いたのは12冊。すべてに著者のユーモラスな直筆サイン入り。
さっそく、私たち夫婦で一気読みしましたが、どれもこれもすばらしくて、すっかりファンになってしまいました。
おふたりとも詩人なので、ひとつひとつの言葉も魅力的ですが、絵との相性もすばらしくて、絵本の魅力にどっぷりはまることができます。
今回、特にうれしかったのは、私が大好きな画家のベン・シャーンが描いた第五福竜丸の悲劇(ビキニ環礁での水爆実験に巻き込まれた事件)の連作を、ビナードさんが絵本にまとめなおした「ここが家だ」に出会えたことです。
ベン・シャーンの歴史的傑作が50年の時を経て、言葉を与えられて、こうして絵本になっていたんですね。これは偉業だと思いました。
私はもっと早くにこの本に気づくべきだったと反省。
一方で、核の使用を平然とちらつかせる国家元首がいる時代に、再びこの本が注目されるべきと感じました。
とにかく、すばらしい本ばかりなので、ぜひ手にとってもらいたいと思います。
ベン・シャーンを敬愛していた和田誠さんの装丁です。